さて今回も100で大活躍するあの人に、密着取材をしました。
第二弾は、当社CTOの半田 惇志さん。
とっても気になる方が多いと思いますので、札幌オフィスに出張して密着取材してきました。
Profile
名前: 半田 惇志
年齢:30歳
出身:北海道
役割:CTO
趣味:サウナ、ガーデニング、アンティークカトラリー集め
半田さんは主に中規模〜大規模サイトの設計や実装、HubSpotを軸としたシステム開発の設計を行っています。
技術責任者として社内はもちろんのこと、国内/海外問わずHubSpotコミュニティでの技術的な指導者として、HubSpot業界のTech領域を支える第一人者です。
そしてエンジニアなら誰もが知る『CSS設計完全ガイド』の著者。
プロジェクトだけでなく、書籍の出版やHubSpotコミュニティでのサポート、ブログやSNSでの発信などさまざまな活動をしている半田さん。
社内のあらゆるメンバーから大きな信頼を得ている半田さんですが、実は3児のパパ。
そんな半田さんのリアルな仕事風景や私生活に密着しました。
半田さんはリモートと出社のハイブリッド型。今回は出社日に密着しました。
ちなみに自宅の執務スペースも見せてくれました。すごい……。
R社は、6年ほど前にWebサイトのリニューアルを担当してからずっと運用支援をしているホテル業界のお客様。
追加機能の実装に伴う機能設計などを行いました。
自身で手を動かすこともありますが、他のエンジニアに開発してもらうための指示書を作成します。
1年ほど前から進めている自社プロジェクトの打ち合わせ。
100ではHubSpotの機能拡張するアプリケーションを展開しています。
開発は他のエンジニアにしてもらい、半田さんはPMとして進行管理や品質チェックなどを担当します(とはいえ、自身がコードを書くこともしばしば)。
そろそろ新サービスをリリース予定のため、今回は念入りに最終確認をおこないました。
出社する日はなるべく、タイミングが合うメンバーとランチを食べに行って雑談をするようにしているそうです。リモートワークなこの時代、何気ない雑談をできる機会を大切にしているんだとか。
本日の中華店は、この内容で1,300円。とても満足度が高かったようです!
先ほどの打ち合わせで発生したタスクの処理をします。
Issue(チケット)を整理したり、自分で手を動かして改修を行ったり。細かい作業から、全体を管理する業務まで行っています。
ここでエンジニアメンバーから相談があり、現状の確認と技術指導を行います。
それだけでなくスキマ時間には、HubSpotコミュニティの質問へ回答します。
日本のコミュニティだけでなく、グローバルの掲示板にも顔を出すようにしているんだとか。
HubSpot業界のエンジニアとして世界に名を馳せる半田さん、積極的に世界中のHubSpotユーザー/パートナーへのアドバイスをしたり、技術的な相談にのっています。
PMの信太さんからM社のプロジェクトについて相談がありました。
要件に対してどのように実装すべきか、技術的な側面の相談。
実装できることや発生する懸念点などを、実際にHubSpot上で機能を確認しながら丁寧にアドバイスをします。
100はHubSpotの国内TOPパートナーとして、難易度の高いご相談も多いため、技術に精通した半田さんはとっても頼りになります。
プライベートの半田さんは、3児(3歳半、2歳、3ヶ月)のパパ。
帰宅してざっと夕飯を食べたら、すぐ家事や育児をします(日によっては寝かしつけが先になり、夕飯が21時半以降になることもあるのだとか)。
終業後もまだまだ忙しく、お皿洗いや子供たちのお風呂、寝かしつけなどを毎日奥様と分担しています。
この日は21:00〜21:30頃に子供を寝かしつけて、それからやっと自分の時間。
半田パパはお家でも引っ張りだこ。遅くまでお疲れ様です。
夜はサウナに行ったり勉強したり。
最近は案件でよく使用するVue.jsの勉強をすることが多いようです。
常に努力してアップデートし続ける半田さん、カッコイイ。
恒例のインタビューも快く引き受けてくださいました。
ーー半田さんのご経歴を簡単に教えていただけますか?
まず17歳のときに、一旦高校を休学して世界一周に行ったんです。もっと広い世界を見たいと思って、3ヶ月半くらい世界を旅しました。
その後帰国したのですが、いろいろな国を見たからこそ日本も面白いなと感じたというか、日本に関する再発見があって。それから1ヶ月ほど家に帰らずに青春18きっぷで日本国内をぶらぶらしながら北上して、やっと帰宅しました。
それから高校に復学するかどうか悩んだのですが、まだまだ自分の知らない世界を見てみたかったので、結局そのまま中退しました。一応18歳の夏ごろに高卒認定資格だけは取得済みです。
今度は海外に長期滞在することで見えてくる世界を知りたいと思い、お金を貯めるため愛知県の工場に出稼ぎに行きました。8ヶ月ほど社員寮に住みながら毎日工場であくせく働いてましたね。
そんな日々のなか、東日本大震災が起きました。父の実家が宮城県の白石市で、幸い直接的な被害はなかったんですが、何か東北の力になりたいと感じまして。工場を辞めて、現地で仕事をしていた叔父の手伝いに行きました。
こちらも肉体系の仕事で、研究目的のための地震計を東北・関東のそこら中に設置するという内容でした。毎日バンに乗って山の中に入り、地震計設置のためのバッテリーを背負いながら山道を登ったり、穴を掘って地震計を埋めたり……現場作業なので夜は毎晩違うビジネスホテルにチェックインして、みたいななかなかハードな生活を送ってましたね(笑)。
その仕事も半年ほど続けてお金が溜まったので、ワーホリビザを取得してアイルランドへ行きました。
最初はホームステイしながら語学学校へ行っていたのですが、自分で家を借りてからは語学学校もだんだん行かなくなり、とはいえ働く気にもなれず孤立するようになってしまって……最終的には家に引きこもってひたすらゲームをし続けていました(笑)。
アイルランドに行った当時は19歳だったのですが、17歳の頃からいろいろ頑張りすぎてきっと疲れちゃってたんだと思います。せっかくアイルランドまで行ったのにニートになって貯金を完全に溶かしてしまいましたね……。
お金がなくなったので帰国したんですが、心身ともにボロボロで、ある日突然激痛に襲われ救急車で運ばれたんです。それからは本当に体力が無くなって、30分も連続して歩けないような身体だったので、半年ほど実家で療養してました。
少しずつ回復して、自分も二十歳で、さぁどうしよう?と思ったとき、大学に行くというよりかは仕事をしたいな、と自然と感じて。
もともと中学生のときから好きでパソコンを触っていて、HTMLやCSSのコードを書いてアフィリエイトサイトを独学で作ったこともあったので、きちんと仕事にするために職業訓練校でWebデザインやHTML/CSSを学ぶことにしました。
半年間勉強し直して無事修了し、就職先を探したのですが、業界未経験かつ高校中退、という経歴で全然上手くいきませんでしたね。20社以上は書類選考で落ちたんじゃないかな。
そんな中、唯一面接まで進んで入社できたのが札幌のWeb制作会社でした。実はそのときの面接官が岩佐さんで、入社後に最初についてくれた先輩が大橋さんでした(その後、紆余曲折があって今度は私がお二人をパンセ・100に誘います)。
ただ当時のWeb制作業界ではあるあるですが、とても忙しいのに給料は低く、成長の限界も感じていました。生意気にも、1年経ったあたりから「きっかり2年で退職しよう」と思っていましたね。
そんなときにCSS Niteというイベントの札幌版に参加したんですが、そこで田村さんがHubSpotのセッションをしていました。その後の懇親会で偶然田村さんと向かいの席になり、HubSpotの話やビジネスの話などいろいろ聞いたのが田村さんとの出会いです。
それから数日経って田村さんから「うちで働かないか」とオファーをいただき、当時田村さんが代表を務めていた株式会社24-7に入社することになりました。
そこで寛次郎さんに出会い、当時の他のメンバーと共に札幌オフィスを立ち上げました。なので寛次郎さんともそこそこ長い付き合いですね(笑)。
それからずっとHubSpotをやりつつ、株式会社パンセに出向したり転籍したり100から買収されたりでいろんなことがありましたが、最終的に100としてまた田村さんのもとに戻ってきてHubSpot事業に携わっています。
ーー過去に書籍を出版したとお伺いしたのですが、詳しくお話聞かせてください。
まず24-7入社前に『Webのための次世代エディタ Bracketsの教科書』という本を出したのが始まりですね。とはいってもこれは電子書籍のみかつ完全に自己出版で、そこまでインパクトが大きいものではなかったんですけど。Bracketsを使っている人やコーダーさんには少しは認知されていたかな。
その数年後、札幌で仲良くしている先輩から「知り合いの編集者が著者探しているんだけど半田くんどう?」と声をかけていただき、技術評論社の編集者さんを紹介されたのが『CSS設計完全ガイド』のきっかけです。
書籍の内容は固まっていなかったので編集者さんと「どんなところに需要がありそうか」とか「どんなことなら書けるか」とかいろいろやり取りするところから始めました。そのうちの1つとして自身の得意分野であるCSS設計領域の企画案を作ったら、無事に通ったので執筆を始めた感じですね。
もともとPRECSSというCSSのアーキテクチャを自分で作っていて、それをドキュメント整備して一般公開するくらいにはCSS設計についてはガッツリ考えていたんです。
ーーすごいですね。かなり売れててエンジニアなら誰しも知っているような書籍ですよね。
ありがたいことに、結構売れています(笑)。
ーー制作期間はどれくらいかかったのですか?
企画含めると2年弱で、執筆自体は1年半くらいガッツリ書いていましたね。
当時は会社員だったので、平日の夜や休日にずっと執筆し続けていました。
その1年半は休日がなく忙しすぎたので、しばらくは出版したくないです。。。
ーーそうだったんですね。いまの100での役割/ポジションを教えてください。
CTOという肩書き通り技術責任者として社内の相談を受けることは多いですし、お客様との打ち合わせに同席して技術的な判断やご提案をその場でお伝えすることもあります。
本来のポジションとしては自社開発を担うのですが、とはいえ受託制作の案件も多いので7〜8割はお客様のプロジェクトで稼働していますね。
ーーHubSpotを扱う上で大変なことはありますか?
SaaSなので、どうしても技術的に実現できないことがあります。
できると思っていたのにできなかったりする可能性があるので、本当に実現できるのかを事前にめちゃくちゃ調べまくる必要があります。それが大変です。
ーー反対に、HubSpotの面白さを教えてください。
とにかく領域が広いことですかね。すべてのHubを活用すれば会社やビジネス全体をおおよそカバーできるので、つまりざっくりでもビジネスの全体像を理解していないといけない。
たとえばただ言われた通り、仕様通りに作るのと、営業の方の悩みや、経営層はこんな数字が見たいだろう、ということを想像・理解したうえで作るものは、当然後者の方がお客様が求めるものになります。
そういったお客様が抱える課題を理解した上で設計や提案、開発をしないといけないので、自分が知らない世界を知る良い機会になります。
技術的にも、サーバー周りからWebサイト制作までひと通り触れるので、大変ですがすごく面白いです。
ーー新たなメンバーとして、どんなエンジニアさんに来てほしいですか?
やはり知的好奇心が強い人ですね。
技術的にも幅広く触れるので、Web制作だけやりたい!というような方は活躍の幅が限られてしまいます。
ビジネス的にも技術的にも幅が広いので、そこに魅力や面白さを感じていただける方がマッチすると思います。
ーー半田さんの仕事に対するやりがい・モチベーションはどこにあるのでしょうか?
結局は、自己成長かなぁ。
7年くらいHubSpotに関わっていますが、まだ100%完璧に使いこなしているわけではないですし、毎年新しい機能が追加されたり、世の中の経済も変わります。変化が多いので自分も変化し続けないといけない。
変化も、新機能がリリースされたからその仕様を把握する、みたいな技術的なものから、、経済がこう動いたからこういう需要が増えてこういう機能が実装されて、、、のように、変化の裏側も考えるとHubSpotがやりたいこと、自分達が来年・再来年すべきことが見えてきます。
ーー今後こうなりたいなど、半田さん個人の目標はありますか?
少し前までは、そのうち自分で事業やりたいとか考えたのですが、いまはあまり考えていないです。
とはいえ100でHubSpotを一生やるかと言われたら、正直それもわかりません。
ただ自分でなにか事業やりたいなと思った時に、ビジネス的にも技術的にもそれを遂行できる力を身につけていたい。
来たるその時のために、日々牙を研ぎ続けているようなイメージです。
ーーありがとうございます。100のミッション”半歩先をてらす”について、”知”という一文字で表現いただきましたが、その心は?
半歩先をてらすためには、この先の市場や経済やHubSpotを知っている必要があると思います。まずはそういった基本的な知識のインプットに重要性を感じています。
また、知恵の意味も込めています。この業界は日々変化が激しいので予想通りに進まないことがよくあり、既に知っていることだけで仕事が完結することはほとんどありません。不測の事態が起こったときに、自分が持っている知識や経験を知恵としていかに巡らせて臨機応変に対応できるかが重要だと考えています。
ーー最後になりますが、100に興味を持ってくれた方へのメッセージはありますか?
全方位的にレベルアップしたい人にはめちゃめちゃ向いている環境だと思います。
何度もお伝えするように、技術的にもビジネス的にも領域がとても広いので、全方位的に学んで成長せざるを得ない環境にある。
とにかく知識を習得して成長したい人にはすごく良い環境なのでぜひ。
特にそういうエンジニアさんを心から欲しています。
半田さん、ありがとうございました。
エンジニア×ビジネス領域で成長し続ける半田さん。
自分の知見を周りに提供して世の中に貢献する姿勢もとっても素敵です。
半田さんと一緒に働いて成長したい方、ぜひお気軽にご連絡くださいませ。
それでは今回はここまで。また次回、お楽しみに。