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顧客データを活用し、ポジティブなインパクトを|株式会社ロフトワーク実本さん

実本さん(左)と田村(右)

「HubSpotのある生活」をテーマに、HubSpotを使っているユーザー、パートナーを問わず、「人」を軸にリアルな情報をお届けするORANGE100%。
 
今回は、オープンコラボレーションを通じてWeb、コンテンツ、コミュニケーション、空間などをデザインするクリエイティブ・カンパニーである株式会社ロフトワークで経営企画/CIOを担当する実本慶子さんにお話をお伺いしました。
 
実本さんは、2020年よりCorporate Designチームの一員として、管理会計から人事管理まで幅広くシステム整備を手掛けています。また、2022年10月からはCIO(Chief Information Officer)として、データ収集・分析にまつわる取り組みを行っています。
 
実本さんが感じていたロフトワークの課題と行ってきた取組みについて、株式会社100代表の田村がお伺いします。

ご縁の重なりが、現在のキャリアにつながった

田村慶

まず実本さんは、現在どのようなお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?

実本慶子さん

2011年6月にロフトワークに入社し、2022年10月からCIOを務めています。 社内のデータ分析や、分析のためのデータの取りまとめをしながら、社内のさまざまなシステム整備から年末パーティまで、組織をよりよくしていくために気づいたことをするのが私の仕事 です。

田村慶

CIOにいたるまでの経緯や、これまでどのようなキャリアを歩んでこられたか教えていただけますか?

実本慶子さん

新卒で、システム開発を手掛けている株式会社CSK(現 SCSK株式会社)に入社しました。システムエンジニアとして、詳細設計からテストまで広く担当していました。
 
業務と並行して、新卒チームで事業部のイントラサイトを担当することになり、企画・構築・運用を行いました。重厚でローンチまで年単位の時間がかかる業務アプリケーションの構築と異なり、考えたことを素早く実装し公開できるのが面白いと感じました。
 
その後、 転職を考えた時にSEよりもWebディレクターにキャリアの可能性を感じ、未経験でも働ける環境を探しました。

田村慶

Web制作会社を経て、ロフトワークに入社されたんですね。

実本慶子さん

そうです。ロフトワークは当時すでに、 PMBOK®️をベースにしたプロジェクトマネジメントを強みにしていて、クリエイティビティとプロマネが両立しているロフトワークのWebサイト構築に興味を持ちました。 アシスタントとして入社後、たくさんの案件で経験を積ませてもらい、チームマネージャーを含めて約6年、制作の現場に携わりました。

どのプロジェクトでもクライアントと共にゴールを定義し、その実現のために構築を行います。
しかし、プロジェクトが終了したら受託側の私は発注がない限り関与することはできない。そこにもどかしさを感じるようになり、「事業会社に行きたい」と社長に打ち明けたのですが、逆に「一緒にマーケティングをやろうよ」と誘われました。

請けるか迷いましたが、 ロフトワークが好きだったし、Webディレクターとしてこのままキャリアをつづけるようにも少し変化をつけたいなと思って 、引き受けることにしました。
産休・育休で一時離脱していたメンバーがチームに戻り、コロナによる環境変化への対応もひと段落するまで、約2年間マーケティングのマネージャーをしていました。

田村慶

そこから、どのような仕事を担当されているのですか?

実本慶子さん

いまは、管理会計や人事管理の仕組みの支援など幅広く担当しています。

ロフトワークはこの10年で人数は2倍に成長しています。 事業の数も増え、従来の仕組みやシステムではカバーしきれないところが生じていました。
これからのロフトワークに必要な基盤を整えていくため、経営企画としてそこを担当することになりました。

実本さん

健やかに働くために、時代に合わせた環境整備を

田村慶

先ほど、ロフトワークでマーケティングのマネージャーを担当されていたとお話ありましたが、どのようなことに取り組まれていたのでしょうか。

実本慶子さん

ロフトワークは早くからマーケティングシステムが機能していましたが、私は現場を知らなかったので、 まずはイベントや記事の制作、メルマガ配信などひと通り手伝い業務理解をしました。

その後、PDCAサイクルやダッシュボードの整備をしたり、CRMのツール変更をしたりしていました。 経験と優れたセンスを持つチームに、データだのロジカルだのを持ち込み、チームがやっていることを客観的にみて、反映できるようにしていった という感じです。

田村慶

なるほど。 実本さんは人事の仕組みの改善にも関わられているとのことですが、組織や事業の拡大とともに、具体的にどのような課題が生じていたのでしょうか?

実本慶子さん

規模が小さいうちは経営陣が社員のことを直接把握できていたし、面談や評価の履歴情報はもちろん管理していました。
ただ、 拠点や人数が増えていけば把握しきれなくなるし、組織内での人材の流動性も高くなるので、よりきちんと情報をストックし、マネージャー間で活かせる状態へと改善する必要が出ていました。

メンバーの多様性も増すなかで、評価に対する納得感を持ってもらえるような評価の仕組みも課題になっていました。また、近頃ではその会社でいかにスキルを得て成長できるかを重視して働く方が増えている気がします。

どうしたら成長を早く実感してもらい、実際成長させられるかということも考えています。

田村慶

働き方の変化が、大きく影響しているんですね。

実本慶子さん

そうですね。私が入社した頃は比較的ゆっくりと育ちましたが、環境変化のスピードも早いですし、みなさん決断が早くなっているような気がします。
ロフトワークでできることはたくさんあるし、ゆえにできるだけ長く、楽しく一緒に働いていきたいので、プロジェクトの内外問わず、学びと成長は大事なテーマの一つです。

データ管理システムを通して、優れたUXに触れてほしい

田村慶

CIOとしては、今後どのようなことに取り組んでいく予定でしょうか。

実本慶子さん

大きく2つのことに取り組んでいきたいと考えています。

1つは、 管理会計の仕組みのアップデートですね。 受託するプロジェクトが多様化していて、既存システムでは管理仕切れない部分も出てきています。 受託プロジェクトの予実管理やメンバーの働き方の可視化の状態を高め、よりよい経営判断ができるような情報を提供をしていこうと取組みを進めています。

ロフトワークではDIY文化というか、ほしいものは自分でつくるという気質もあって、マイクロな範囲ではある程度管理がされていますが、全体感を見失うことにもなり気づいたらまずい状況になっていた、、ということにもなりやすいなと懸念しており、今のうちに仕組みを作り直していこうとしています。

もう1つは、 いまは流れてしまっているデータのうち経営的に必要そうなものを情報としてストックしたいと考えています。 中には、顧客からのフィードバックなど、メンバーをチアアップしたりするような価値ある情報もあるので、これもCIOの大事な仕事かなと思っています。

田村慶

情報をストックし活用する上で、1つのシステム基盤にまとめられる予定ですか?それとも、様々なサービスを適材適所に使うことを考えていらっしゃるのでしょうか。

実本慶子さん

現場ごとに合ったシステムを使います。

弊社の代表も 一つのサービスや製品に依存しすぎることをリスクと捉えていますし、メンバーにはUXの優れたサービスや製品を使ってほしいと考えています。 プロジェクトでも、サービスから生じるデータを扱う機会がありますが、その際に良い提案ができるようにとも考えています。 

田村慶

なるほど。その中で、HubSpotはどのように活用されていくのでしょうか。

実本慶子さん

現在は基本的な顧客データベースと商談管理にのみ使っていますが、今後はセールスイネーブルメントやCRMの高度化に向けて、HubSpotをもっと活用したいと考えています。

現在、個別の商談単位での情報はたまるようにしていますが、顧客単位としてはコミュニケーション内容を集約できていません。
私たちは、顧客とのプロジェクトを成長させながら関係性を続けていきたいのですが、そのための補助にしたいですし、私たちが顧客のビジネスで関与できる部分も増やしていきたい。 そのためにも、お客様の情報をまとめて管理できている方が良いですね。HubSpotはもっと機能活用していきたいと考えています。

今秋にマーケティングチームがMarketing Hubを導入し、早速使い始めています。そちらの効果も期待していますね。

データをもとに、ロフトワークの価値を高めたい

田村慶

そうなんですね。CIOとして今後はどのようにデータを収集・活用していこうとお考えでしょうか。

実本慶子さん

ロフトワークは自律分散組織を志向しています。
各部門・チームが自分たちの状態を確認できること、必要に応じて自律的に動けることを目指しています。

そのためにデータを集め、使いやすい状態にすることが当面の目標です。定量化すべきデータやその見せ方については、社長も交えてプロトタイプを出しながら議論しています。

田村慶

ロフトワークならではの、経営に対するカルチャーは何かあるのでしょうか。

実本慶子さん

「世の中にどれだけポジティブなインパクトを出せたか」は大事にしていることでしょうか。

ロフトワークは「We believe in creativity within all」「Unlock the Potential」を掲げています。顧客の方からもロフトワークにはバイアスを壊し、新たな発想を生み出すことを期待されていることが大半です。

顧客の中には「こうやらなければいけない」という固定観念に捕われ続ける方もいらっしゃいますが、プロジェクトを通じてポジティブな変化を生み出せればと思っています。その結果として、世の中が少しでもよいものになっていけばいいなとは思います。
もちろん、そのためには自分たちのビジネスがサステナブルである必要もありますので、一般的な経営指標の達成も重視し、全社で取り組んでいます。

田村(左)と実本さん(右)

ロフトワークのみならず、様々な企業もサポートしていきたい

田村慶

最後に、実本さんが考えている今後のキャリアや、将来の展望について教えてください。

実本慶子さん

管理会計や会社の仕組みづくりというところは今後深めていきたいと考えています。 まだやり始めたばかりですが、、自分なりの型を作ってみたいと思っています。

また、 これまでシステム開発、Webディレクション、プロジェクトマネジメント、マーケティングとさまざま担当してきたので、いつかロフトワークを卒業したときにはその辺りを総合的に支援する仕事ができたらいいなあとは思っています。
まだまだ先の話の話で実現するかはわかりませんが(笑)。

田村慶

プロジェクトマネジメントの経験は、初めての企業との取組みにもおそれず対応できそうですね。

実本慶子さん

そうですね。PMP®️の資格は今でも維持しており、実践は続けていきたいと思っています。

それに加えて、中小企業診断士の資格取得を目指して勉強もしています。経営企画を担当することになり、自分の知識を広げようと始めました。

ロフトワークでできることはまだまだたくさんあって集中しなければいけませんが、新たな学びも活かし活躍の場を増やしていきたいですね。

※記事中の部署名、役職名等は掲載当時のものです。

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